最近、「φαντασία(ファンタジア)」という新しいプロジェクトが始まりました。ファンタジアは、ギリシャ語で、「表像力/可視化する」という意味。これは、雌馬とグリフォンから生まれたヒッポグリフのような、架空動物の細胞をタンパク質の配列構造からつくり、タンパク質で生成することによって素材にするプロジェクトです。
宇宙の摂理によって決められた「ファイナルデザイン」を、高次元の創造へと進化させるという挑戦。架空の動物の衣服を身にまとうことは、形而上にしかなかった存在を形而下に変えていくという体験ができる。しかもテクノロジーで生み出されたものによって、動物を殺さなくても、今よりもリアルな毛皮をつくることできるようになるんです。
僕自身、動物が好きで、猫と一緒に住んでいることもあって、動物の毛や皮を使うということにジレンマを感じることもあります。確かに綺麗だけれど、そのために殺される動物のことも考えると葛藤はある。
だからこそ、消費社会という文脈から離れた新しい概念を築き、ファッションという形に落とし込んでいくことが僕の使命かなと。このことで、今よりももっと動物と共存できる世の中になれば最高ですよね。